「奉祝立教95年・第182回春季大祭」が開催
立教95年を奉祝する第182回春季大祭が、御霊地にて開催されました。
5月8日は、午前 9 時 30 分より大祭奉告祭が太神社殿前にて行われ、岡野英夫理事長、堀越興二常任理事をはじめ本部役員が参列し、大祭開催の喜びを太神様に報告の後、御霊地各所を参拝しました。続いて午前10時45分より、岡野理事長が導師となり理事参与以上の本部役員、関係する本部職員により萬部供養の御法楽が五智如来堂にて営まれました。
午前11時半より挙行された本祭式典は、本部役職員、会員有志が太神社殿前に参列し、国歌斉唱、拝礼行事に続き、在りし日の解脱金剛尊者のみ声「五法則」を拝聴。続いて萬霊魂祭塔前にて、岡野理事長が生花を捧げた後、萬霊大供養を厳修しました。
挨拶に立った岡野理事長は、現世界の動きの中で本質を見つめて現実に即して行動していく大切さを話しつつ、最後に「神意にしたがい金剛さまの御心に沿って、あらん限りの力を振り絞って柔和な世界の実現に向けて努力をさせていただこう」と述べました。
5月13日・14日両日の大祭式典は、新型コロナウィルス感染症が5類へ移行されたことから、第1部式典が通常の式次第で行われました。またお山内の会場は圏域ごとに区分され、全国の支部会員代表がゴザを敷いて着座、コロナ禍以前を思わせる大祭風景となりました。
まず午前9時半過ぎ、解脱金剛宝物館前にて東京各教区の青年部鼓笛隊が見学に訪れた会員たちを前に見事な演奏を披露しました。
午前10時40分、青年部鼓笛隊に先導され、国旗、本部旗、青年部旗に続いて、全国の支部旗が勇壮に入場行進しました。
午前11時、大祭式典が開式。国歌と大祭の歌を斉唱、拝礼行事、尊者のみ声拝聴に続いて、青年本部役員によっておみたま櫃が捧持され、萬霊魂祭塔の前に安置されると、女子青年が生花、お点前のお茶と茶菓を、和服姿の女性部が天茶を捧げました。そして厳粛な中で萬霊大供養を厳修し、万物万霊への感謝と共存共栄全世界の平和への祈りを捧げました。
岡野理事長による式辞(別掲に全文)、来賓代表の三宮幸雄北本市長による祝辞と続き、祝電披露、会歌斉唱、終礼行事、閉式の辞をもって終了しました。
両日のお山内には、青年部による「まごころ募金」が行われ、多くの会員が真心と祈りを込めて協力した他、3年ぶりとなる「こども広場」が開かれ、多くの子供たちがゲームなどで楽しみました。
今大祭も、インターネットにて式典の模様が配信され、現在、こちらから視聴できます。
第182回春季大祭 岡野理事長式辞
全国会員代表の皆さま、ようこそおいでくださいました。五月を迎え御霊地の木々も新緑の若葉に覆われ、爽やかな日差しの中で神々しいまでに美しく輝いています。
本日ここに立教95年を奉祝する第182回春季大祭を迎えることができましたことは、誠に有難く感謝に堪えない次第であります。
新型コロナウイルス感染症も、ようやく収束の様相を見せ始めています。まだまだ予断を許さない状況下ではありますが、感染症対策としての規制を解除し、本日は北本市長をはじめ地元各界の名士の方々のご臨席を仰ぎ、錦上花を添えていただき、賑々しく厳かに春季大祭を斎行させていただくことが出来ますこと衷心より感謝申し上げます。
徐々に社会生活全般に渉り活気を取り戻しつつあり、コロナ後の人々の幸福と繁栄を求める新たな気運が高まってきています。
新型コロナウイルス感染症は、世界人類をはじめとする生きとし生けるものすべての生命が渺として一脈なるを私たちに知らしめ、知ると知らず途に関わらずお互いに支え合うことによって生かされ養われていることを明確に訓えてくれました。
世界の人々が協力して新型コロナウイルス感染症に立ち向かってきた事は誠に尊く素晴らしいことであり、人類史上初めての偉業ではなかったかと思います。
その反面、生命の危機に直面する中で、人間の心の弱さや平常心を保つことの難しさ、恐怖心や自我心を制御することの困難さを露呈する様々な事件や出来事が多発いたしました。
多くの人々は、強いストレスを感じながらも愛する家族を守るために己を自制し、生活全般に渉り防疫対策を施す忍耐の生活を続けてまいりました。しかし、コロナ禍の経済的困窮や思い通りにならないストレスなどによって精神的パニックに陥り、自我の衝動に負けて自暴自棄となってしまった人々も沢山おられたのも事実であります。
こうした人々は、自分自身の人生における確固たる精神的支柱を持たず、因果応報の道理を知らないがために、自我充実の欲求を満たすことのみに行動してしまう傾向があります。その結果、自信なき迷いの世界を彷徨い、危険で不安定な人生を歩むことになってしまいます。
金剛さまは「人間の迷いと苦悩とは多く神を知らざる所に生ずる。神と共に在るものは、終に救われたるものである」と申されました。
人が先祖の霊を始め、神と共に在る自覚を得る時は、どのような状況にありましょうとも、けっして孤独感に苛まれることもなく、不安な心や恐怖心に打ち勝つことが出来ます。また「非常の苦難に逢い人力の足らざるを痛感する時、或は興亡死活の岐路に立って万策尽きたる時等に於ては、所謂人智を尽して天命を俟つとか、苦しい時の神頼みなどという消極的な態度であるにせよ、往々にして神を意識するに至らしめるものである」と申されました。阪神淡路大震災や東日本大震災といった天災地変に遭遇し被災した人たちがそうであったように、また愛する人が命の危機に瀕した時などにおいて人智を超えた偉大な力にすがり加護を求め、全身全霊で人びとの無事と安寧を一心に祈ってまいりました。
そうした経験によって人が誠心の境地に達した時には、魂を揺さぶるような偉大な力の存在を認識し、神秘不可思議な神の実態を自覚することがあります。こうした経験は魂の覚醒を促し、真の人間としての道を求める求道心を発揚させます。
私たちは、金剛さまのお導きのまにまに真心の祈りの中で、神秘的な出来事を幾度となく体験し、万障の奥には皆神が在し、知ると知らず途に関わらず神の愛の中に生かされている確固たる信念を養ってまいりました。
人は神によって生かされている神の分身霊と言うべき存在です。私たちの肉体が宇宙の真理、大自然の法則のまにまに生かされているように、私たちの精神もまた真理法則のまにまにあらねばなりません。
人は人間本能のままに進もうとするために、自己の欲求を満足させる自己意識に走り易きものです。もし、人の行動や思いが宇宙の真理、大自然の法則に反し、背き、逸脱したものであったなら、その人の思いや行動は不自然なるがゆえに安定せず、悩み苦しみ自己煩悶に陥り、遂には不安で不幸で不健康となることは当然の結果と云わねばなりません。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックのみならず、ロシアがウクライナに侵攻する暴挙に出て、現在も激しい戦いが続いています。日本を取り巻く東アジアでも、軍事的緊張が高まっています。
これらの状況は、神の御心に反するがために、けっして心の安寧をもたらさず、国家の繁栄や社会の発展、人類の幸福をもたらすことは決してありません。必ず後悔する時がまいります。こうした怨念が渦巻く社会情勢だからこそ、私たち会員は、日々世界人類怨親平等大供養を厳修し世界の平和を祈り、武力ではなく話し合いや外交によって解決していくことの大切さを訴え続けていかなければなりません。それが日本の大和の精神であり、ご歴代天皇の太御心であるからであります。
自分自身の心に恨みや反抗心、自我心があってはなりません。私たち一人ひとりの心が、この世界を創り社会を動かしているからであります。そうした真摯な自己反省に立って、二度と戦争を起さないために私達には何ができるのか。何をしなければならないのかを皆さんとともに考え行動していきたいと思います。「自我充実は、身も家も国も世界も皆亡びる。現世界の動きを知られたい。自我は無限であるからです」と金剛さまは諭されました。
私たちが常に真の人間道の真ん中に立ち、神仏の大慈悲心の光明に包まれ生かされている有り難さに目覚めるとき、自己の心に去来するものは世界の平和であり、感謝であり、人々の幸福であります。
その清らかな善念の力は、御恩に報いる非常な勇気を振い起こして安心と歓喜と希望の生活を実現するために奮闘努力の新生活に向かわしめるはずです。「現在信仰を有ち乍ら解脱の妙味を体得せざるものは未だ正しき信仰せるものということは出来ない。少なくとも其の信仰は不純不徹底のものと謂わねばならぬ。何となれば、正しき信仰は必ず正しき道を知らしめ之に随順努力すべきことを指教する筈だからである」と金剛さまは申されました。
立教百年を間近に控える私たち解脱会員は、自己の心を検討し、再検討し、再々検討して、恨み、妬み、そねみ、高ぶり、争いの心はないか、他人を批判し悪口を発してはいないか、独善的な学びをしていないかをつぶさに自己反省し、悪因縁に触れないためにも我らが恩師である解脱金剛さまの御心に沿い愛国心を発揚し日々修行させていただかなければなりません。新たな麗しい平和な世界を実現するために、日々の生活の中で、宗教によって錬成せられた仁愛と至誠とを以て人々に接し、多くの人々に接し、多くの人々と共に手を携えて幸せな人生を歩んでいけるよう、解脱のみ教えを広くお伝えさせていただきましょう。
結びに皆様の御健勝と御多幸をお祈り申し上げますとともに、立教百年に向かってさらなるご活躍をご期待申し上げ、式辞といたします。